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ドリームクラッシャーの続き
煩悩ブログは更新します とか言って 一ヶ月以上後無沙汰しておりました
さて 産休中 もう何年か放置していた 元デフレンジャーのドリームクラッシャーの続きを
書いておりました
まだ 完結しておりませんが 今から入院しますんで 悔い無きよう UPしておきます
コメントとかできなくてすみません

 
 元デフレンジャー 海老茶色 梵鐘響は
一条の光も通さぬ地獄の闇夜のようなブラック企業 「奈良地方戦隊」 の劣悪な就業状況に耐え忍び
精神的 経済的 共にギリギリな状態で勤務し
かけがえの無い20代を費やした

久々の戦闘のさなか
暖かい心を持った 敵キャラ宇宙人 キモ提督により
地球とか地元とか救う前に己を救うべきであると覚醒させられ
普通の幸せを求めて思い切って離職した 三十路前の大決断であった
恩人ともいえるキモ提督は響により二束三文で人身売買されたが
生活がかかっていたので
致し方ないということにしよう


月日は流れ 三十路になった響は
某企業のコールセンターに勤務(契約社員)
かつての戦隊の仲間たちもそれぞれ別の職場でまっとうに働いており
(デフレンジャー 限りなく灰色に近いブラックは除く)
皆 以前より人間らしい暮らしをしているようだ

夢を諦める事で得る幸福もあるのだ
響は日常的に顧客から理不尽な罵倒をいただく
極めて離職率の高い職場にいるが
かつてキモ提督の冷酷な部下 ジョニーによる口撃を受けて一通りずたぼろに
されていたため耐性ができており 勤務し続ける事ができる
そのことは果たして良い事であるのか?
人として大事なものを失っているのではないのか?
不安を抱えつつも普通に生きる為に響は働く

戦隊時代に チームの人間関係をこっぱ微塵にした
薄幸風したたか女
デフレンジャーピンク藤原京歩(バツ2子供1)
と復縁という(復縁どころか ピンクのほうに以前響と交際していた認識があるのかすら怪しい)
淡い期待を抱くも またしても心打ち砕かれる

一方売り払われたキモ提督は人徳の成す技か 芸能界でみのもんた級の成功を遂げた
響は いろんな人生があるのだと思いを巡らせながら
消息の知れない 可哀相な学生時代からの親友 デフレンジャーみどりみのあお 甍光
(いらかひかる)の生存を願う


そんなある日 響は珍しく仕事を早く切り上げ 自宅に帰り
テレビをつけると 偶然昔大好きであったなつかしのアニメが
再放送されていた

そのアニメは響が中学生の頃 バスケブームを巻き起こした
スラム●ンクで 丁度最終回の終盤のようであった

「あ〜これ 超好きだったぜ
ああもう終わりだぜ もっと早く帰ってこればよかった
そうそう これから全国大会だ! ってところで終わっちゃうんだよな
・・
て あれ? (〜あれから15年〜) とか言ってるぞ こんな続きあったっけ?」

こんなモノローグあったかな?と響は首を傾げる

画面には 少々年を経てどことなくくたびれた感のある
赤毛の主人公が佇み 独白していた


〜あれから15年〜 俺 桜木何某は
全国大会で活躍し 実業団にスカウトされた
入社した会社のチームでも華々しい活躍をした〜

「へ〜そうだったんだ よかったぜ!」


〜しかし 折りからの不況で 会社のバスケットボールチームが廃部となった〜


「まじかよ!!」

〜バスケしかしてこなかった 俺 桜木何某は 途端に会社にとって無用の長物となった
それ以来 肩を叩かれ続けている 連打だ お陰で肩こりが解消した
それだけは良かった
後輩や派遣社員、果ては会社の裏に住み付いているノラ猫ですら

なんで辞めニャイの?このコバンザメめが
と 俺を蔑みの目で見る
ふざけんな 人殺しどもめ
この不況に放り出されたら野垂れ死にだろう? 死ねというのか?
何があろうと俺は会社にしがみ続けてやる

俺の人生のピークは15年前のあの頃だった・・

輝かしいハイティーンの思い出を酒の肴にして俺はこれからの余生をボチボチ生き続ける

さらば栄光の日々よ〜

完・・

「!!ええ おい 嘘だろ?!あの桜木何某が・・余生とか・・ボチボチ生きるって
こんなしょっぱい終わり・・う 嘘だろ」


気がつけば響はいい年こいて アニメを見て号泣していた

異星人の口撃や日々の理不尽な罵倒やらで鍛え抜かれてきた涙腺であったが
純真な少年時代に見た思い出のアニメのあまりにも救いのない結末に
どうしようもなく涙を流していた・・


いやいや おかしいだろ!
違うだろ こんな終わりかたじゃなかったし 絶対
こんなアダルトとは別な意味で青少年には見せられない妙にリアリティのある内容
日中にやるアニメではないだろう
これは何か異常事態では?と

響が推測したとおり
その後のニュースで
某TV局に何者かが侵入し、テープが入れ替えられ 不適切な内容のアニメが
放映された と報じられた

インターネット上でも 見てしまったかつての少年達が大いに嘆いて なかなかの騒ぎになっている

犯人も動機も不明だと報じられているが
響には心当たりがあった

こんな 全く何の利益もないのに手の込んだイヤガラセに全力投球する
心の捻くれた事をする人物
あいつならばやりかねない・・

しかし
証拠は無い

思い入れのあるアニメを穢した事は腹立つが 正直通報するのも面倒だった
自分の生活に実害を与えられた訳でもないし 誰かが死ぬわけでもない

あの頭のおかしい先輩の考えていることはわからないが
まあ イヤガラセが成功して満足してるだろうから・・・放っとこう
おかしい人に関わり合いになるのはめんどくさいわ もう寝よ・・

響は晩酌してさっさと寝てしまった

一応戦隊であったころの正義感やら情熱やらは彼の中から もうどこかへ行ってしまった
疲れやすい30代にはエネルギーを無駄に消費する余裕は無いのだ


そんなわけで
響は その よくわからない犯罪を放置していたのだが

意外な事に犯行はその後も続き


ついに国民的アニメ ド●エモンまでもターゲットにされた
心に頑なな部分のある響は ド●エモンの声優さんがノブ代さんでなくなった時点で
俺のド●エモンはもう終わったとばかりに それきり一度も見てなかったので
リアルタイムで見ていなかったのだが

夜 泣きながら電話をかけてきた藤原京歩から その陰惨な内容を聞かされた

「おじちゃん17ご・・あらやだ違った 研究生6号の響君!守が大変なの!助けて!」

「人のヤル気を削ぐような、その呼称をどうにかしてくれれば助けてあげなくとも・・
ってどうしたんだ?歩?」

「守が!守が!ドラ●モン見てたら ショックでひきつけおこして倒れたの!」

「!?画面が強い光で点滅してどうのこうの言われてた ピ●チュウの事件みたいなやつか?」

「違うし古いわよ! 光どころかむしろ暗かったのよ 真っ暗よ

なんだか急に 最終回 ってことになって
ド●エモンがのび太君に最後に渡すものがあるって言ったのよ
どんな道具かな?って思ってたら
請求書だったのよ
今まで出した便利道具のレンタル料だっていうのよ 総額1億円!

で のび太が 嘘だろド●エモン〜とか泣きついたんだけど

喚くな!未来の超絶ハイテク道具使いまくっといてタダなわけがないだろ!
ずうずうしいゴミ虫めが!
って ド●エモンが金色夜叉の みたいに彼を足蹴にするのよ

で 当然払えないって事になって
野比家は売却され パパは早期退職させられて退職金は借金返済にあてられ
ロシア漁船に乗せられるの ママは蒸発 場末のスナックで働いているという噂

で 事の元凶 愚息のび太は 実は闇金の帝王だったド●エモンの
私有の地下核シェルター建設のための工員となって 地下送り
劣悪な環境の中で一生働く事に・・唯一地上に出るためにはペリカを貯めて・・」

「ちょっと待て!途中から他の漫画になってる気がするぜ それにしても
シビアすぎる内容だぜ!子供にはキツすぎじゃないか」

「そうなのよ ひどいわ ショックで守は倒れて
今は部屋の角で体操座りしてシクシク泣いてるのよ」

そうか・・あのクソ生意気なわらしがシクシク泣いてるのか
ざまあみろ・・というのが 瞬時に生まれ出でた響の正直な気持ちであったが

「お願い 犯人をやっつけて!!安心して子供にアニメも見せられないなんて困るわ
守の心を傷つけた犯人を懲らしめてくれたら 貴方を特別に永久の兄さんナンバー会員に
してあげるから!!もと正義の味方でしょ?」

と 歩に魅力的な条件付のお願いをされたので響は二つ返事で引き受けることにした
そして これから犯人探しに多大な労力をかける展開になるというのが通例であるが
響には心当たりがあり その犯人の連絡先も身近なところからあっさり手に入ったのだった

「歩 ちょっとさ 君の便利帳 見せてもらっていいかな?」

 

腹立たしくもあるが あっさり容疑者の所在地がわかったのはこの際ラッキーだということにしよう
響は今 とあるアパートの前に居る
家主の名前は 三条通 駆(かける)
奴ももちろん おじさんナンバーだ ざまあみろである
思えば響の青年期の不遇の元凶は彼のせいだといっても良いであろう
警察に通報する前にこの事実をヤツに伝えて精神的にダメージを与えて一矢報いてやろうと
響はそう思いながら チャイムを鳴らした

「・・ど・どちらさまですか・・て あれ?響?」

蚊の鳴くような か細い声で応対に出てきたのは 三条通とは違う男であった
かなり度の厚そうな眼鏡をかけ やつれ果て 灰色の空気をまとった
昭和の浪人生のような男であった このような男を響は知らない
しかし 相手は自分を知っている 誰なのか

「え?あれ すみません ここは三条通さんのお宅ではありませんか?
あなた・・以前お会いしたことありましたか?」

「大先生は今 外出中です・・響 わからないのか 僕はヒカルだよ 甍光」

「え!嘘だろ!?」

思いがけない再会は喜ばしいものでは無かった
生きていれば良い、、そう願ってはいたが 確かに生きてはいるが
即身仏より生気がない 響の知っている光ではなかった

学生時代 ファンクラブまであった爽やかイケメンであった光
この変わり果てた姿は一体何なのだ?! あと大先生というのが気になる

「ふふ・・駄目になった僕を見て 君はがっかりしただろう・・」

「森田童子の歌詞みたいなこというなよ!どうしちまったんだ光!
お前を携帯の待ち受け画像にしてた ファンの女の子たちががっかりするぞ!」

「ふふ・・どうせ彼女らは携帯をスマホとか機種変更した時点で僕の画像なんかとっくに捨ててるさ
今じゃ僕のことなど忘れ果てて 昼ドラ見ながらワイシャツアイロンがけしてるさ・・」

「う〜ん まあ 実際そうだろうけどさ いくらなんでも変わりすぎだぜ
おまえ視力2・0だっただろ 今更なんでそんな眼鏡かけてるんだ?」

「ふふ・・いやはや トレース台が眩しくて・・目をやられたよ
大先生と二人だけでアニメ製作は正直吐血モノだけど・・
これは腐れきった世の中を正す神聖なる仕事なんだよ
社会の底辺でぼろ雑巾になり果てていた僕なんぞを 大先生が優しいお心で拾ってくださり
与えてくれた僕の使命 どのみち今生で夢も希望も無いのだから例え命潰えようと僕はやるよ」

「なんか壮絶なこと言ってるけど あっさり犯行を自供してるよね
お前も犯行グループの一味か?でもって 大先生ってもしかして三条通駆か?」

「・・犯行グループって まるで僕らが犯罪者みたいじゃないか 失敬だな何言ってるのだ君は?
そう 大先生とは三条通駆様だよ
我らは 正義の秘密結社 ドリームクラッシャー 今は大先生としもべの僕の2人だけの組織だけど
いずれ大先生の落とした一石は大きなビッグウエーブとなって世界を変えるのさ
現在キャンペーン期間中だから 入会金30万円でしもべ2号になれるって大先生がおっしゃってたよ
親友の君にも是非入会をオススメするよ 一緒に世界を救おうよ 救世に命費やせば
悲しみも苦しみも無い透明な世界に転生できるって大先生が確約してくれたよ さあ 君もおいでよ」

響は青ざめた ヤバい 光がやばいことになっている
正義の秘密結社ドリームクラッシャーってなんだそれ
わけがわからないが 兎に角 ブラック企業+危険な宗教のやばさである
光は心身ともに宜しくない状態
これは 歩の依頼の為だけでなく光のためにも三条通の凶行を辞めさせなければならない
響は ドリームクラッシャーの尊い活動に興味があると光に嘘を言って
とりあえず入室し 三条通が帰宅するのを待った

狭く薄暗い部屋の中で トレース台とパソコンの画面がぼんやり光っていた
ここで2人だけで 入れ替えるためのアニメ動画を製作していたというのか
アニメ製作のことは詳しくわからないが これはかなり壮絶で気の遠くなる作業なのではないのだろうか
空のカップラーメンや栄養ドリンクなどが転がってる様子から まさに寝食する間も惜しんで作業してた
のであろう 一体何が彼らをそこまでさせるのだろうか

画像はともかく 音声はどうやって挿げ替えたのかと光に問うた所
なんと 三条通がすべて 七色の声で持って吹き替えたとのこと・・ヤツの物まね能力 栗カンより凄い・・
才能の無駄遣い過ぎるだろうと響はつくづく残念に思った

夜半 その残念なヤツが憔悴した様子で帰宅した

「お帰りなさい 大先生様!ミッションは果たされましたか?」

「ちっ 放送局の警備が厳しくなって進入できなくなってしまった・・
ピッキングも 壁ぶち壊しも 天井の通気口から進入も ゴムマスクで警備員に変装も
窓からハンググライダーで突撃も全部やりつくしたからな 小癪にも全部対策とられちまった
あ?誰だこの濃い顔した男は?」

「そんな・・大先生に出来ないことがあるなんて・・
彼はわたくしめの旧友の梵鐘響と申します しもべ2号を志望しております」

「え!・・ちょ いやいや してないし!工場見学な感じの軽いノリですから空気とみなしてください
それにしてもすごいですね 行動力キャッツアイ並みじゃないですか」

これ以上ナンバーで呼ばれるのはもうおなか一杯である それに変な組織に勝手に入れられそうで
響は非常に焦った

「ふん まあいい 警備が厳しくなってきやがって我らの活動も打ち止めかもしれんからな
今更増員して無駄飯食わせるのもなんだしな・・くそ!
警察のほうもキャッツアイ並みに無能だったら良いものを・・日本の警察侮りがたし!」

「そんな大先生!諦めるだなんて 大先生らしくないですよ いつものような
お風呂のカビのようなしつこさはどうしたのですか?! こんなときこそ響が役に立つのですよ
彼は戦隊のメンバーに選ばれるほど運動能力に優れ 体力もあります
大先生の侵入計画の良き雑兵になりますよ!
ああ・・わたくしめも栄養失調になっていなければ鉄砲玉でも何でも使っていただきたいのに・・無念」

「ああ!そうだ こいつを囮として放り込もう!・・て あれ?居ない?」


響は逃走した
ちくしょうめ・・!光のやつ・・アホンダラ!お前なんかもう友達じゃねえ!栄養失調にでも脚気にでも
なっちまえ!と心の中で叫びながら


しかし
非常に危ないところであったが
自分がくいとめるまでも無く
奴等の更なる犯行は不可能だとわかった
自分が逃走し 今後あんな危ない奴等に協力する物好きも出るとは思えない
よし もう放置しておいて良し! 放置だ放置! あんなヤバイ奴等に関わりあってたまるか!

響は解決したとみなし 歩に報告した

奴等をコテンパンにのしてやり 泣くまで罵り
土下座させ もう二度としないと誓わせたから もう大丈夫だと

「ありがと〜!さすが響君 頼りになるわ〜 これで永久の兄さんナンバー2に昇格ね!」

歩の中の自分の株も上がったし、これでクソガ・・守君も少しは自分に敬意を払うであろう
が しかし ナンバー2か・・二番目か 何だろう このガッカリ感は

兎も角 響が何か活躍したわけでもなく
単に日本の警察が優秀なおかげで
やつらドリームクラッシャーとやらは 犯行不能となり
世の中しばらく落ち着いたようであった

 

冬が過ぎ 桜もそろそろ咲くかと思われる頃
コールセンターの同僚もこの数ヶ月で相当入れ替わったが
打たれ強さを得ている響は相変わらず平然と働き続けている
クソガ・・守君もあれから自分にレゴをぶつける事も無く
なかなか穏やかな日々を送っていた


その日 響は早上がりであったので
早々に自宅に帰り 何気なくテレビをつけた

丁度 響が小学生の頃見ていた 某サッカーアニメの続編をやっていた


なにかこのパターンに デジャブめいたものを感じたが・・

どうやら あの小学生にしてサッカーゴールのネットをぶち破っていた恐るべき少年は
大成して海外のサッカーチームに所属し大活躍しているようだ
よかった・・ あのバスケアニメの偽続編のような哀しい大人にはなってないようだ

「あ〜そういえば ワールドユース編とか 連載してると聞いたことあるな
確か アネキ だか アネゴだか呼ばれてた 長年彼を応援してた女子と結婚してめでたし
で終わるのだったような・・」

と 響は油断しきって観ていたのだが

主人公はアネゴにあっさりと「俺 今度女子アナと結婚するわ」 と告げたので
新婚さんいらっしゃいの三枝のように椅子から転げ落ちた

アネゴは 「お前も女子アナかよ!そんな顔が良くて学歴があって育ちがよさそうな
だけの女のどこがいいの!?」と吼えたが

主人公は「は?何言ってるの それ以上何を望むって言う生んだ 最高じゃん」とさらっと言ってのけた

アネゴは「あたしなんか 子供の時から今までどんだけ尽くしてきたことか!
肉じゃがとか作ったし!世界中応援に付いていく為 定職就かずに日雇い派遣しかやってこなかったのに!
気が付けばもうそろそろ30よ! あたしの人生どうしてくれるのよ!交通費が凄くて貯金も無いのよ!」
と 取り乱した

そりゃあ取り乱すわ・・今まで日雇い派遣で30突入で 結婚するもんだと思いこんでた相手に
あっさり捨てられ金もないって 絶望しかないだろう 響は深く同情した

が 主人公は
「は?!何言ってるの?そんなの君が勝手にやっていたことじゃんか 別に俺頼んでないし
そもそも付き合ってたつもり無いし
それに 肉じゃがって いかにもって感じであざとくて引くわ〜
定職就かずに追っかけって人生舐めてるの? もしかして今時専業主婦狙ってたの?
スポーツ選手はさあ 引退が早いわけよ 稼げる妻を求めて当然だし
そもそも世界のスーパースターの俺が 何故 女優でも女子アナでもないパンピーの女を
養わないといけないわけ? ププ あ これ結婚式の招待状 どうぞ」

なんだこれ・・真っ黒だ 黒い翼だ カラスかコイツは
しかしまあ 確かにアネゴも人生設計甘いな・・このようなご時勢 男を当てにするのはリスキー
過ぎる 女子も働いたほうがいいというのはカラスの言うとおりだな うん
と 気づけば響はけっこう真面目に見入っていた

そして
激昂したアネゴが
「地獄に落ちやがれ!お前の結婚式 血の雨を降らせてやる!」
と捨て台詞を吐いて走り去ったところでCMに入った

・・なんというドロドロした恐ろしげな展開 しかし続きが気になる
昼ドラにはまる主婦の気持ちが少しわかってしまった響である

さてCM明け
カラスな主人公の結婚式の当日
アネゴは丑の刻参りのコスチュームを着て なにやらブツブツ言いながら
包丁を研いでいた 準備された火炎瓶も転がっている

怖い・・怖すぎる

そこへ その緊迫した空気を全く読まずに 坊主頭の男が登場した
ヘディングが得意なあの男である

「やっほい!アネゴ久しぶり!迎えに来たぜっ て え?その格好もしかして
白無垢?!え!?って ちょ もしかして俺と同じこと考えてたわけ?
俺達フィーリングカップルじゃん!」

「は?アンタ何言ってるの?」

何か盛大に勘違いしている坊主の男は アネゴに怪訝そうに睨まれたが
盛大な勘違いはまだ続く

「ほら アイツが結婚するじゃん で俺もいい年だしそろそろ結婚したいなって思ってたわけ
そこでアネゴの顔が浮かんだわけ!
ほら 前にさ 簡易包装の手作りクッキーくれたじゃん
こんなに地球に優しいなら優しい奥さんになってくれるんだろうなって思ってさ
今日 ついでに告ろうとしたわけ そうしたらアネゴも白無垢着て待ち受けてくれてるじゃん!
相思相愛ってやつだったんだな 俺達!
あ!そこに転がってる瓶 キャンドルサービスの蝋燭?すげえ やっぱりエコなんだな!」

アネゴは思い出した
以前主人公のあの男にクッキーを焼いて持って行こうとした時 いくつか失敗作が出来
しょうがないから 犬にでもくれてやろうかと思っていたが
丁度 この坊主の男が通りがかったんで チラシに包んで渡してやったのだった
そこから全ていいように勘違いしてるらしい・・
しかし 信じられないがコイツも日本代表選手なのだった
まあ 仕方がない コイツでもいいか・・

そういうわけで アネゴの怒りの活火山はおおいなる妥協で鎮まり
主人公と女子アナとの結婚式は無事に執り行われたのである END


ふ〜 やれやれ 内容が酷いが兎に角 人死にがでなくて良かった・・
坊主頭良くやった! グッジョブ!
響が安堵していると 携帯電話が鳴り響いた
ヤバイ・・歩からである


予想通り彼女はかなりお怒りで
愛息 守君が 先ほどの改竄版サッカーアニメを見てしまい
その後 彼は子供とは思えない 遠い目をし
そこから一言も口を利かずに 部屋の隅っこで体操座りしているとのこと

犯人をやっつけたというのは嘘だったのか 守がおかしくなたらあなたのせいよ!
あなたなんか じじい2号に降格よ バカ! との事だった


じじい1号もいるんだな・・ということは まあ置いといて

響は再度 秘密結社ドリームクラッシャーとやらの所に行かねばならなくなった
嗚呼イヤだ・・
それにしてもどういう事だろう 奴等は八方塞になったはずなのに

ニュースによると 犯人の進入経路はわからず お手上げ状態との事だった
駆のヤツ また無駄な才能でもってやらかしたのであろうか


チャイムを鳴らすと 黄泉の国の亡者のような様相の光が出てきた

「どちらさまでしょうか・・大先生と神は留守にしてますが・・って響じゃないか」

「ああ 久しぶり って・・・あのさ神って何?何そのヤバげな新メンバー」

「ふふ・・神は神だよ こしゃくな警察どもに妨害されていた我等を救ってくださった
全知全能の神だよ ああ 丁度 神と大先生様がお帰りだ!ラッキーだな君は さあ跪きたまえ 」


「光 戻ったぞ! 神のおかげで楽勝だったぞ! あれ お前は以前逃げやがった濃い顔の男
やっぱりメンバーに入れて欲しいってのか? フン何を今更
我々には神が居る お前なんかいらねえよ!」

と、上機嫌に帰って来た駆と一緒に現れたのは

確かに人成らざる者で・・
その姿を見た響は 骨の髄まで染み込んだ恐怖の記憶を思い出し、凍りついた


鹿星人 ジョニー!! 何故彼がここにいるのか??!


「あ おい待てよ お前確か デフレンジャーとやらの海老茶じゃなかったけ?」

「い・いいえ 違います もう自分 今はデフレンジャーでも海老茶でもないフツーの社会人ですから!
ただの通りすがりです!異邦人です! ではサヨナラっ!」

「響 君は神と顔見知りだったのか! 何てうらやましい! 君 以前急に居なくなってしまって
ろくに話もできなかったじゃないか まあ 少しお茶でもしていけよ」

「私も 貴様があれからどんな転落の人生を辿り どんな惨めな暮らしをしているのか気になる おい 逃げるな」

というわけで 拿捕された響は強制的に近況を聞かせる羽目になった

響が再就職し まともな賃金を得て人間らしい暮らしをしていると知った下りで
ジョニーは明らかにつまらなそうな顔をして欠伸をし、
駆は 許せねえ・・俺以外の人間がまっとうに暮らしているのは許せねえ 陥れてやる
と理不尽にメンチをきって来るし
光は 自分なんて・・自分なんて・・もう死のう とかブツブツ言い出すし
本当にろくなやつが居ない
此処に限らず 自分も他人の事言えた義理も無いが ろくでもない人物しかいないのかこの世界は・・

で この機会に響は3人にお願いした やっつけるとか無理 お願いした
「あの・・すみません もう放送局に侵入してアニメの内容を改竄するとか やめて頂けませんでしょうか
貴方方もよくご存知の藤原京歩さんからの頼みなんです 自分の人としての尊厳にも関わってまして
どうかよろしく・・よろしくお願いします」

ジョニーは
「まだお前達 あの女の掌の上で転がされてるのか!!学習能力ないの?昆虫以下?
やっぱり人類って馬鹿だわ〜超うける!」 と爆笑していたが

光は神妙な顔をして言った
「歩さんの願いか・・聞き入れたいところだが 我らの崇高な活動を止めるわけにはいかない
・・それに これは将来的に守君と歩さんのためになることなのだよ 」

以前から思っていたが 彼らはなにやら大仰な事を言っている ただのイヤガラセ&キチガイ集団ではないのか?
ドリームクラッシャーとはなんなのだ

駆が嘲るように説明してくれた
「まだわからんのか馬鹿めが!今までの改定したアニメの内容には
我らが危険を冒してまで世のクソガキどもに伝えたいメッセージが込められているのだ!
要約すれば
しょうもない夢なんか見てヘラヘラしてないで
まともな大人になるよう 今のうちから賢く生きろ! だ」

哀しい顔をしながら 光は頷いた
「そう 世の中のちびっ子達
僕のように 失敗して惨めな大人にならないようにね って願いながら 泣きながら描いてたのさ」


そうだったのか・・・言われてみればあのエゲツないとしか思っていなかったアニメの内容は・・

この不況 実業団のチームが次々に無くなってる状況でスポーツしか出来ないのは危うい
とか タダより高い 恐ろしいものはない・・うまい話には気をつけろ とか
そういうメッセージが込められていたのだな

そう気がついたら 響はあっさりとドリームクラッシャー達に共感してしまったのであった

(そうだな・・確かに自分もいい歳になって今更後悔している
進学するとき 学校を卒業をしたとき もっと堅実なとこにしておけばよかった! とか
もっと 潰しの効く技能や資格を身に付けておけばよかった! とか
ああ ほんと 夢なんか見てた時間 無駄だったぜ・・ 賢く生きてれば今頃年収は・・クソっ
あれ なんだかドリームクラッシャーって良い活動をしているんじゃない?
すごい正義なんじゃ?)

さすが戦隊という名のブラック企業に長年大人しく繋がれていただけあって彼は洗脳されやすい

「素晴らしいなドリームクラッシャー! 俺は応援するぜ 俺 超絵が下手だから それ以外の協力はできないかな」

「では 濃い顔の男よ おまえの会社でもらった給料をこれから我々に上納しろ」

続く

 

 


 
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